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クライマックスの到来(2015.12.13)

宣教題  「クライマックスの到来」         宣教 鎌野直人協力牧師
聖 書  マタイ1章1節~17節

神はイエスの誕生のために二千年近くも準備され、その準備が42世代の系図にまとめられている。7世代を一日と考えると、神の準備の一週間が見えてくる。

1. 最初の六日間
まずアブラハムの選びからはじまる(創世記12:1-3)。全イスラエルに広がりつつも、特別な人を選んで神は準備を進め(2-3)、第14代目、神の準備の二日目のクライマックスにダビデが登場した(6)。イスラエルの王ダビデに与えられた使命は、世界を治め、世界を祝福すること、つまり、アブラハムへの約束を実現することであった。しかし、「ウリヤの妻によって」(6)が示唆するように、準備は順調に進まず、むしろ王国の歴史は下り坂を辿り、第28代目、神の準備の四日目に王エコンヤは民とともにバビロンへと移住させられる(11)。次の14代の間に、民はイスラエルへと帰還はしたが、本当の回復は実現せずにいた。

2. クライマックスとしての第六日目
第42代目、つまり神の準備の六日目の最後に大きな変化が起こる。福音書が語る「アブラハムの子ダビデの子、イエス」(1)が誕生されたからだ。イエスこそアブラハムへの約束を、そしてダビデ王の使命を果たすメシアである(16)。その誕生は特別であった。イエスはヨセフの子ではないが、ヨセフの妻マリアから生まれた(16)。そこに神の直接的介入を見る。さらに、神の準備の六日間、ずっとそうであったように、立場の弱い女性たち(タマル、ラハブ、ルツ、マリア)を通して、神はクライマックスを到来させた。さらに、天地創造の第六日目に人が創造されたように(創世記1章)、神の準備の六日目のクライマックスにアダムに与えられた使命を果たすメシア、まことの人イエスをこの地上に遣わされた。

3. 八日目に向けて
六日目のクライマックスに来られたメシアであるイエスは何をもたらしたのだろうか。「罪からの救い」(21)であり、創造の第七日目が象徴する安息の到来である(11:28-30)。そして、世界の民がイエスの弟子となり、この安息を世界に告げ知らせている(28:18-20)。今、私たちは神の第八日目、イエスが再び来られ、新しい天と新しい地が持たされる日を待ち望んでいる。アドベントは、神がこの世界のために準備されてきたご計画を覚えつつ、新しい世界の到来を待ち望む季節でもある。